山陰亭

原文解説口語訳

『菅家文草』05:377

有勅、          みことのり りて、
賜視上巳桜下御製之詩、  上巳じやうし 桜下あうくわ御製ぎよせいの詩をるをたまひ、
敬奉謝恩旨        つつしみて恩旨おんし しやたてまつ

不啻看桜也惜春  ただ桜をるのみにあらず またを惜をし
紅粧写得玉章新  紅粧こうしやう 写し得て 玉章ぎよくしやう あらたなり
微臣縦得陪遊宴  微臣びしん  たとひ遊いうえんはべることるとも
当有花前腸断人  花前に はらわた ゆる人もるべし

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口語訳

(宇多)天皇の御命令により、
三月三日桜の下で天皇が作られた詩を拝見し、
謹んで御恩に応え申し上げる

ただ桜を鑑賞するだけでなく さらに春をも惜しまれる
桜花の美しい色を 写し取って 御製は新鮮なものです
たとえ宴席に加わることができても 私は思うのです
花を前に 胸を痛める人もいるのだろうと

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