山陰亭

原文解説口語訳

『菅家後集』487

東山小雪  東山の小雪せうせつ

雪白初冬晩  雪は白し 初冬のくれ
山青反照前  山は青し 反照はんせうの前
誤雲独宿〓  雲の独りたにに宿れるかとあやま
疑鶴未帰田  鶴の田に帰らざるかとうたが
不放行看賞  ほしいままにせず 行きて看賞かんしやうすることを
無端坐望憐  はしくも して望憐ばうりん
客魂易消滅  客魂かくこんは消滅しやす
遇境独依然  きやうひて独り依然 いぜんたり

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口語訳

東方の山にかかる雪(を見て)

雪が白々と(見える) 初冬の夕暮れ
山は青々と(映える) (夕陽が)照り返す前に
(白い)雲が一人谷に留まっているのかと見まちがえ
(白い)鶴が田に帰らないのかと思われる
気の向くまま(山に)出向いて鑑賞することはできない
思いがけず (部屋に)座って遠望して愛でる
旅人の魂は消えがちなもの
この境地に出会い ひとり昔をおも

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