山陰亭

和歌浦天満宮(7KB)
和歌浦天満宮

所在地:和歌山市和歌浦西
 交通:和歌山バス・権現前バス停下車

選択肢は多し、体力は少なし「和歌山ラーメン」体験記

選択肢は多し、体力は少なし

(傾向)予備知識がないと移動に振り回される。
(対策)とりあえず「和歌山バス」を検索。

 普通電車との連絡や駅前での買い物など、生活レベルではJRの方が便利ですが、観光目的なら南海本線がお勧めです。「県境の長いトンネルを抜けると、そこは山の中だった」より海が見える方が楽しいだろう、というのがそもそもの理由ですが、南海電鉄には「サービック」なる割引切符があり、和歌山バスの1日乗車券や観光地の入場料割引券がセットになっているので、かなりお得なんですね。あとバスの1日乗車券(960円)自体の問題もあります。休日は南海駅前のバスターミナルにある案内所と和歌浦口わかうらぐち の営業所でしか扱っていませんから。
 ただ注意が必要なのが、始発駅のなんば駅。大阪ミナミは駅が散在しているため道に迷いやすく、乗り換えはすんなりいきません。梅田からアプローチするなら、JR大阪環状線を使い、新今宮駅でホームの階段を上って乗り換えるのが無難でしょう。両社の改札が一直線に並んでいるので迷いようもありません。が、そのまま調子に乗って直進し、高野線に乗ってしまわないように。南海本線は改札抜けて左折、です。後は和歌山市駅行きの急行で終点までのんびり行きましょう。
 ちなみに和歌山市駅(南海)−和歌山駅(JR)間はシャトルバスで約20分。電車(JR紀勢本線)なら速いのですが、1時間に2本です。

 さて本題。駅前から新和歌浦しんわかうら 行きのバスに乗って……、と書いたところで、1時間に1本なのであまり意味がありません。ここで持つべきは地元民の知り合い。曰く、「和歌山城や紀三井寺きみいでらへの便は多い」。国道42号線を通って海南かいなん市へ向かう路線は紀三井寺を経由しますが、その前に和歌浦口バス停に止まります。ここから権現前へは徒歩約10分なので、こちらを利用した方が良いでしょう。
 バス停の先は道が二股になっているので、右側の道を選択し、どんどん歩いて行きます。しばらくすると権現前に到着。さらに進むと右手に東照宮への入り口があります。そのすぐ奥、御手洗池の手前に細い道があるので、右折して進んでいけば天満宮の入り口にたどり着きます。

楼門と石段(5KB)
楼門と石段

 参道の先に待っていたのはひどく立派な急勾配の石段。手すりにつかまって子供のように一段ずつよじ登るという、みっともない姿をさらす羽目になります。身長が低いと足を上げるだけで精一杯。ほんと、和歌山は山です。

 石畳のアプローチの長さに比べ、拝殿前のスペースは狭いです。そのため思うように散策できないのが物足りないのですが、勇気を出して社務所の奥を覗いてみましょう。屏風だったかふすまだったか、道真の漢詩が堂々とした筆致で書かれていて、なかなか渋いですよ。

 10世紀半ば、橘直幹たちばなのなおもとが大宰府からの帰り道に立ち寄り、道真を祭ったのが始まり。大宰府への途中、道真が風波を避けるためこの地を訪れ、和歌を残したことを偲んで、ということなんですが、播磨から紀州まで、大阪湾は綱敷天神に事欠きません。

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「和歌山ラーメン」体験記

(傾向)どうも観光に関心がない土地柄らしい。
(対策)インターネットより口コミ。

 旅行の前は「るるぶ」(JTB)と「マップルマガジン」(昭文社)を見るのですが、和歌山市の記事はほとんどありません。ウェブ上の情報もいま一つ。元県民には呆れられ、現県民はつれなく「和歌山城しかない」という有様。
 和歌山城自体戦災で焼けてますから、これといった観光スポットがないのも事実ですが、観光産業に力を入れている高知市に比べ、消極的態度はかなり感じました。

 どうにか気を取り直し、せめて「和歌山ラーメン」だけでもと情報収集。正式名称は「中華そば」で、麺はまっすぐ、スープはさっぱり醤油味(車庫系)とこってり豚骨味(井出系)があり、ゆで卵や早なれ寿司と一緒に食べる、等々。うまい具合にテレビ番組で特集を組んでいたのですが、「讃岐うどん並みに濃い世界」という印象を受けてしまいました。
 さてJRの駅前で地図を見ていると、うまい具合に有名店の写真が出ています。が、1軒は本日休業、もう1軒は15時開店……。和歌山のマイペースぶり恐るべし。夕食にするには時間が厳しいので、遅い昼食にすることに。
 マスコミ好みの「和歌山ラーメン」を求め、向かうは美園町の井出商店。「サービック」のおまけのラーメンマップを片手に、商店街を抜けてウロウロした挙句、どうにか到着。店の外には行列ができていましたが、そう待たされることもなく、すんなり席につけました。
 ここで話題になったのが、後から入ってきた男性。「チャーシュー10枚追加」の言葉に地元民だと確信したのですが、同行した知人は彼の動静を観察していたらしく、しばらくして「あの人、物凄いスピードで食べて私達より先に出て行った。しかもゆで卵まで食べて!」と驚きの報告。客の回転が早い訳です。それにしても、あの裏メニュー、一体いくらだったんでしょうか。

 京都で有名店のラーメンが思ったほどおいしくなかったという体験をしてから、筆者はラーメン屋に足を運んでいません。ラーメン特集にも関心を示さず、ブームなんてどこ吹く風。今回の試食は知人のリクエスト。そんな筆者でも、油っぽさを感じずすんなり食べられたということは特記しておきます。
 それにしても、木製テーブルにスツールという観光客とは縁遠いひなびた店構え、マスコミに登場する前から変えてないんでしょうね……。外観は一部改装したそうです。

 JRの駅に併設されたVIVO和歌山の地下にも飲食店が多いのですが、郷土料理店「紀州路百番」のかやくご飯定食はおいしいです。目の見張りようがない一口サイズのめはり寿司定食なんてのもありました。いずれにしろ、粉河こかわ 名物(と書いていました)よもぎうどんがついてきます。

 締めはJR駅前でのおみやげ調達。VIVO和歌山の売店で水了軒の小鯛の笹寿司。ミスタードーナツの隣の小さなパン屋で揚げパン。近鉄百貨店の地下には梅味のソフトクリームがありましたが、注文時は品切れで試食できず。

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