山陰亭

「週刊朝日百科世界の文学」第23号 朝日新聞社 2000

 タイトルが「古今和歌集 梁塵秘抄 和漢朗詠集」だったので気にしていなかったのですが、たまたまある人から現物を頂いて確認したところ、きっちり道真の特集がありました(苦笑)。当時の漢詩人の中でも、有名で内容が理解しやすいから選ばれたのでしょう。

 「醒めた理知」をキーワードに、藤原克己氏が『菅家後集』の詩を取り上げて解説しています。「楽天が『北窓の三友』の詩を読む」について、燕と雀と詩で三友になる、と指摘したのはさすが(と思ったのですが、すでに王丸勇『菅原道真』(金剛出版、1980)に同様の指摘がありました。気付かなかった私が鈍いだけかも)。それにしても、以前「白鳥のうた」と題した雑文の中で、藤原氏の文章を引用した人間としては、「謫居の春雪」を「白鳥の歌」と呼ばれると、単なる偶然なのに少なからずおもはゆくなってしまいます。

 この号の執筆者には、和歌にも漢詩も明るい「和漢兼読」の研究者が多いのが特徴です。個人的には「和歌・手紙のゆくえ」という、作者自筆のその後に関するコラムが興味深い。平安時代文学は和歌と漢詩文の相互交渉の賜物だという、ごく当り前の話を知らず、今でも「平安文学=かな文学」だと勘違いしている人は多いでしょうね。

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