山陰亭

朝日天満宮(7KB)
朝日天満宮 ※向かって左側

所在地:京都市東山区鍛冶町
 交通:京阪バス・三条広道バス停下車

メゾネット天神社時代祭で笑え!

メゾネット天神社

(傾向)粟田神社が道中安全を司るのは立地条件に理由があります。
(対策)平安神宮に行くついでに足を延ばせば良いかと。

 粟田神社の末社です。最寄りは京阪バスですが、京都市バスの神宮道じんぐうみちバス停からもさほど遠くありません。東へしばし坂道を登るだけです。1日乗車券を使うならこちらの方が便利でしょう。三条通の南側に鳥居と参道があり、そこを抜けて階段を登ると境内中心部に出ます。小高い丘の上にあるので見晴しは良好です。
 主祭神は素戔鳴尊すさのおのみこと大己貴尊おおなむちのみことの婿・舅コンビ。御利益に旅行安全が含まれているのは、しばらく西に行った先にある三条大橋が東海道の終点にあたるためです。東海道と聞くと、ずっと南の新幹線の経路を想像しますが、弥次さん喜多さんが歩いたのはこの道だったんですね。市バスのうち、観光仕様(ラッピングバス)の「洛バス」に乗れば、この辺の話が延々と聞けます。しかし単に停車駅の少ない移動手段として乗った暁には、「観光で来た訳じゃないんだけど……」と自分にツッコミを入れたくなります。以前はチンチン電車風のバスも走ってましたが、外見の優美さに相反し、木製の椅子(!)は痛かったです。廃止されたのはそれが原因……ではなく、車体の老朽化でした。

 拝殿左脇に多賀たが社とメゾネット状態で祭られているのが朝日天満宮です。お隣さんの本家は多賀大社(滋賀県多賀町)と言い、国生み神話で有名なイザナギ・イザナミの夫婦神を祭る神社です。

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時代祭で笑え!

(傾向)歴史考証の成果にぶっ飛ぶ。
(対策)相棒には冗談の通じる人を選びましょう。

 ここに程近い平安神宮が平安遷都1100年を記念して博覧会会場の奥に創建された、言わば「パビリオンの名残り」だったと最近になって知り、ちょっとショックを受けてます。まさか太陽の塔や咲くやこの花館と同系列の建物だったとは……。
 京都御所は元来里内裏だったために平安京大内裏とは全然違う場所にあり、建物も江戸時代のそれなので、一緒に平安神宮も見ておけば、実際の雰囲気はつかめると思います。まあ応天門が8分の5スケールだったり、大極殿だいごくでんの建築様式が当初のものとは異なるなど、細かい問題がなくもありませんが、道真さんもこういう青丹良き空間で働いていたのは事実ですから。そして何より、視覚に訴えるのは強い。

 京都三大祭の掉尾を飾る時代祭(10月22日)も創建時に始まります。明治維新から平安初期まで歴史上の人物がオンパレードで行進する祭ですが、古代中世は女性が中心なだけに、残念ながら道真さんは登場しません。鶴岡へ飛べとか風俗博物館(下京区)で拝めという意味ではないんでしょうが、ちと残念。ただ、一番優雅な葵祭に一番華麗な祇園祭に対し、一番ぶっとぶ存在です。要するに相当ツボにはまる祭ではないかと。

 吉野太夫(江戸時代きっての名妓)、羽柴と太閤のダブル秀吉(北野で大規模な茶会を開いたのは勿論後者)、出雲阿国いずものおくに(歌舞伎おどりの創始者だけあって、南座の近くで刀を肩に掛けて立ってます)、子連れの常盤ときわ 御前(一番上の子が牛若こと源義経)、呉越同舟の清少納言と紫式部(式部が納言を「知ったかぶり」と酷評したのは有名な話)あたりは誰でも分かると思いますけど、菅笠に簑姿の公家七人衆(この格好で都落ちして太宰府天満宮の宮司宅に寓居するのです)、阿仏尼あぶつに(息子の裁判のために京都から鎌倉まで旅行して『十六夜いざよい日記』を書いた人)、梅ケ枝を持つ紀貫之の娘(自宅の梅を引き抜かれそうになったので、天皇に「鶯に『僕のうちはどこ?』と聞かれたらどう答えれば良いのですか?」と和歌で抗議した女性)までくると、段々マニアックになってきます。実際、どうしても分からなかった「有名人」が何人かいます。知ったかぶりで説明すると、それこそ悲惨な状態になりそうです。

小野小町(左)と百済王明信(右)(7KB)
小野小町(左)と百済王明信(右)

 そしてトドメを刺すのが小野小町と百済王明信くだらのこにしきめいしんの御両名。小町は道真に一番世代が近いんですけど、「当時の女性ってこんな格好だったの〜!?」と目を白黒させること必至です。真面目に時代考証をやっているはずですが、平安初期の神像彫刻を参考にした小学館版『日本の歴史』や石ノ森章太郎の場合と全然違うんですよ。これは本当に大いなる謎です。
 百済王さんは知っている方が不思議な存在。むしろ知っていればカタギじゃないです(笑)。後宮女官トップの尚侍ないしのかみを務めましたが、桓武天皇の元カノと目される女性です。夫(藤原継縄)の前で天皇から「昔のことは忘れたの?」と和歌で問われてうろたえてましたね、この人……。

 京都三大祭には京都市観光協会が有料観覧席を設けていますが、基本的に前もって沿道に座り込んでおけばタダで行列を見られます。葵祭の「路頭の儀」で有料観覧席を押さえたことがありますが、はっきり言って目の前を通り過ぎるだけの1時間に対価を払う必要はないでしょう。時代祭は1時間半前に平安神宮正面の神宮道じんぐうみちの歩道べりにアウトドア用の椅子でも持ち込んでしまえば大丈夫。有料観覧席の側まで行けば解説まで聞けますが、ゴール地点に近づく程混むので、もう少し余裕を持って出掛けて下さい。
 あえて身銭を切るとしたら祇園祭の山鉾巡行。開始が午前9時と早く、場所取りが大変なのです。午前7時半に四条河原町(最初の辻回しポイント)まで行ったらすでに最前列は埋まり(ただし車道に降りていた人は京都府警に強制撤去されてましたが)8時にはすでに座れなくなっていました。河原町御池(2つ目の辻回しポイント、京都市役所前近辺)の方がまだましです。いずれにしろ全行程は3時間以上かかるので、押し合いへし合いしながら立ち見を続けるのはかなり酷でしょう。実際、救急車のお世話になる人が何名か出ます。遠方からの場合、ビジネスホテル(シティホテルは値段が跳ね上がります)と観覧席を取って、前日は昼間からじっくり宵山を堪能しましょう。巡行当日は正午過ぎに解放されるので、帰路につくなりもう少し市内観光に繰り出すなりすれば、旅費の元は取れますよ。

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