
北堂『文選』竟宴、各詠句、 北堂の『
得「乗月弄潺湲」 「月に乗じて
〈仁寿年中『文選』竟宴、 〈
先君詠句、 先君句を詠じ、
得「樵隠倶在山」。 「
古調、多叙所懐。
予、今習先君体、
寄詩言志。 詩に寄せて志を言ふ。
来者語之〉
文選三十巻
古詩一五言
五言何秀句 五言
乗月弄潺湲 月に乗じて
半百行年老 半百
尚書庶務繁
雖思楽風月 風月を楽しまんと思ふと
不放到丘園
非唯無所楽
悠悠有所煩
水空触眼逝 水空しく
月暗過頭奔 月暗く
惣為貪名利
亦依憂子孫
此時玩斯集
如避世喧喧 世の
(題として
〈
亡父は(やはり謝霊運の)詩句を題材に詩を作り、
(題として)「木こりと隠者は共に山中にいる」の句を得た。
(その詩は)古調詩(の形式)で多分に感慨を述べていた。
私は、今亡父の形式に
詩にこと寄せて思うところを述べる。
後世の者は論ぜよ。〉
『文選』は三十巻(あり)
古体詩は五言(からなる)
(その)五言詩のうち どれが秀逸な句なのか
(それは)「月にかこつけてさらさら流れる水の音を楽しむ」(の句だ)
(私は)五十歳(を過ぎて) 年を取り
自然を楽しもうと思っても
自由に小高い丘の上の庭へ行くことができない
(それは)楽しむ機会がないからだけではない
憂えて 思い悩むことがあるのだ
水はいたずらに目について流れ去り
月はひそかに頭上を訪れて過ぎ去る
(そう感じるのも)みな名声や利益に固執しようとするからだ
また子孫のことが心配だからだ
こんな時 この詩文集を愛読すれば
騒々しい世間から逃れたような気分になる