山陰亭

生身天満宮 (7KB)
生身《いきみ》天満宮

所在地:京都府南丹なんたん園部そのべ 町美園町
 交通:JR山陰本線・園部駅下車

元祖の名はいずこ

元祖の名はいずこ

(傾向)「日本最古」って、大して執着していないのですよ。
(対策)もし行くなら、高校の場所をしっかりチェックしてから。

 京都から14駅か、ご近所じゃん。交通費ちょっと高いけど、頑張れば行けるよね。
 ……ごめんなさい、ウソでした。各駅停車で1時間掛かりました。京都府に土地勘のない私がバカでした。
 園部駅から山沿いの道を、京都医療科学大学の脇を抜け、京都聖カタリナ女子高校まで15分ほど延々と歩きます。その先にあるのがこの神社。境内がだだっ広いだけに、うっかり変な所に踏み込むと蜘蛛の糸がお土産についてきます。

 いくらでも詐称できるだけにあまり意味がないと思うのですが、「日本最古の天満宮はどこですか?」という議論があります。公称では、防府天満宮が903年、太宰府天満宮が905年、北野天満宮が942年。道真の没年(903年)より前だったら、それはもう「天神」違い(少彦名命とか)だろうと思うでしょう? それがですね、こちらの神社、901年から道真さんを祭っていたという珍しい神社なのです。

 そのカラクリ。周辺が菅原家の所有地で、代官の名は武部源蔵たけべげんぞう。道真が901年に大宰府に左遷された時、源蔵は道真の息子を預かり、地元で養育することになりました。その際、道真の木像を作り、無事と一刻も早い帰洛を願い、日々陰膳を据えておりました。ところがどっこい、当の本人はあえなく現地で果ててしまい……、というお話。
 主人公の名前の示す通り、「菅原伝授手習鑑」の元ネタです。そして今でも宮司家は武部さんです。

 境内つきあたり左が拝殿。芳名帳(って、大学ノートですが)をペラペラとめくっていると、つい先日に北野天満宮の関係者と思しき人物が参拝していた事を発見。変に詮索されるリスクを考慮すると、うかつに記帳なんてできません。

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