八月十五夜、 八月十五夜、 月亭遇雨待月 月亭にて雨に遇ひ月を待つ 〈探韻得无〉 〈韻を探りて无を得たり〉
月暗雲重事不須 月暗く雲重なれども 事須《ま》たず 天従人望豈欺誣 天は人の望みに従ふ 豈《あに》 欺誣《ぎふ》せんや 夜深纔有微光透 夜深くして 纔《わづ》かに微光の透《とほ》ること有《あ》り 珍重猶勝到暁無 珍重《ちんちよう》す 猶《なほ》暁に到るまで無きに勝る
八月十五日の夜、 月亭で雨に遭遇し月(の出)を待つ 〈探韻して「无」を得た〉
月は陰り雲が重なっていても 構わない 天は人の期待に応える どうして(人を)騙《だま》すだろうか 夜が更《ふ》けて かろうじて微かな光が射し込んできた ありがたい それでも夜明けになるまで出ないよりは良い