寒早、十首 寒は早し、十首
〈同用「人」「身」「貧」「頻」四字〉(4) 〈
何人寒気早
寒早夙孤人 寒は早し
父母空聞耳 父母 空しく耳に聞く
調庸未免身
葛衣冬服薄
疏食日資貧
毎被風霜苦 風霜に苦しめらるる
思親夜夢頻 親を思ひ 夜に夢みること
冬の寒さが早く訪れる、十首
〈皆「人」「身」「貧」「頻」の四字を(韻字として)用いる〉(4)
誰に 冬の寒さは早く訪れるのだろう
冬の寒さは早く訪れる 早くに両親を亡くした人に
父母については 空しく人づてに聞くばかり
(しかし)税からは 逃れられぬ身
葛で織った(夏の)衣は 冬服には薄く
粗末な食物は 日々の食料には貧しい
寒風や霜に苦しめられるたびに
親を想い 夜に夢を見ること頻繁である