書懐贈故人 懐《おも》ひを書して故人に贈る
在遠相思一散人 遠きに在《あ》りて相《あひ》思ふ 一故人 花前月下海辺春 花前月下 海辺の春 劉〓旧説君聞取 劉〓《りゆうきん》の旧説 君聞取せよ 莫党同門妬道真 同門に党して道の真を妬《ねた》むことなかれ
思いを(詩に)書いて親友に贈る
遠くにあって思い出すのは 一人の親友(である君の事) 花の前に月のもと(で迎えた) 海辺の春 劉〓《りゅうきん》が昔語った言葉を お聞き下さい 党派に属して道芸の真(芸術の本道)を嫉妬してはならないと