春日独遊、三首(1) 春日《しゆんじつ》に独り遊ぶ、三首(1)
放衙一日惜残春 衙《が》を放《はな》たれて 一日《いちじつ》 残春《ざんしゆん》を惜しむ 水畔花前独立身 水畔《すいはん》 花前《くわぜん》に 独り立つ身 唯有時時東北望 唯《ただ》 時々東北を望《のぞ》むことのみ有り 同僚指目白痴人 同僚《どうれう》 指《ゆび》さし目《もく》さん 白痴《はくち 》の人と
春の日にひとり外出する、三首(1)
役所から解放されて 一日中 晩春を惜しむ 水辺や 花の前に 独り立つ(我が)身 ただ 時おり(都のある)東北(の方角)を眺めやるばかり 職場の連中は 指差して呼ぶだろう 愚かな人だと