元日、戯諸小郎 元日、諸小郎《せうらう》に戯《たはむ》る
珍重行年五九春 珍重《ちんちよう》す 行年《かうねん》五九の春 可憐児輩二三人 憐れぶべし 児輩二三人 不須多勧屠蘇酒 多く屠蘇《とそ》の酒を勧むることを須《もち》ゐず 其奈家君白髪新 其《そ》れ 家君が白髪の新たなるを奈《いかん》せん
元日、子供達に軽口を言う
ありがたいことだ 四十五歳の春(を迎えられるとは) 何と素晴らしいことか 二三人の子供たちよ 熱心にお屠蘇《とそ》(薬草を浸した酒)を勧める必要はない 父に新しく生えた白髪をどうにかできるものではないのだから