冬夜、九詠(2) 独吟 冬の夜、九詠(2) 独り吟《ぎん》ず
牀寒枕冷到明遅 牀《さう》寒く 枕冷ややかにして 明《めい》に到《いた》ること遅し 更起燈前独詠詩 更《さら》に起き 燈前《とうせん》に独り詩を詠《よ》む 詩興変来為感興 詩興《しきよう》 変来《かは》りて 感興《かんきよう》と為《な》る 関身万事自然悲 身に関《かか》はる万事 自然《おのづから》に悲し
冬の夜、九首(2) 独り(詩を)詠《よ》む
寝床は寒く 枕は冷え冷えとして 夜明けが来るのは遅い 改めて起き 燈《ともしび》の側で独り詩を詠む 詩を詠みたいと思う気持ちは 移り変わって 物事に心動かされる気持ちになる (我が)身に関することは全て おのずと悲しい