白微霰 白く
如砕如粘取貌難
被風吹結雪相摶 風に吹き結ばれて 雪
〓牙米簸声声脆
竜頷珠投顆顆寒 竜の
念仏山僧驚舎利 念仏の山僧は舎利かと驚き
名医道士怪鉛丸 名医の道士は鉛丸かと怪しぶ
袖中収拾慇懃見 袖の
応是為氷涙未乾
白く小さな霰
砕けたり粘りついたりと (雪は)なかなか形を取らない
(それが)風に吹き固められて 集ま(って霰とな)る
(霰の降る音は)のろの牙のような米粒を振るうように 軽やかで
竜のあごにある珠を投げつけるように 冷ややかだ
(霰を見て)念仏を唱える山僧は
医術に優れた道士は鉛丹の丸薬かといぶかしむ
(しかし)袖の中に集めて丁寧に見ると
これはきっと乾くことのない(私の)涙が氷となったものなのだ