子供向けの歴史漫画を全巻揃えている人が知り合いに一人はいるものですが、その中で選ぶならこれ。理由は単純で「時代考証が比較的正確」「道真さんがほどほどにカッコいい(笑)」。
改訂で巻頭にカラー写真が増えましたが、マンガ自体は同じです。
学研は衣装がすごかった(今は改善されていることを願う)。集英社は格好良すぎて現実味がなかったのが、1998年の全面改訂で描いている人が変わり、巻数も増えました(平安時代前期は5巻に収録)。ただ道真に関しては、絵も話もやはり小学館版が好み。集英社版は、登場まもなく右大臣→左遷→徹底的に祟るという展開なので、話の中心は学者政治家ではなくて御霊でしょう。
朝日新聞社からも『まんが人物・日本の歴史』(第2巻 1998)が出てます。絵はそれほどでもないんですが、ギャグの応酬は凄いです。
あとマンガという観点からは石ノ森章太郎の『マンガ日本の歴史』(中央公論新社)という大人向けのシリーズもあります(第9巻 1990/文庫版 1997)。叙述や背景の細かさには恐れ入るのですが、お世辞にも人物が格好いいとは言えないんですね。それに対して、小学館版のあおむら純さんの絵は「蒼白きインテリ」(永井路子『悪霊列伝』)を描きえて妙、なんです。以前にはアニメ化されたこともありました。