所在地:石川県金沢市兼六町
交通:北陸鉄道バス・
(傾向)緑あふれる名園と対をなす色彩。
(対策)兼六園見物のついでに。
金沢ってどうしてこう繁華街まで遠いんだろう、バス乗っても全然速い気がしない、と不思議に思っていたら、地下鉄があってもおかしくないほど妙に広いのでした。おまけにゆるくて長い坂道が多い。普通に市内観光するにしても、駅前から出るバスを積極的に利用しましょう。
さて、この神社は、兼六園の隅、県立美術館の向かいにあります。地元の人でもなければ、兼六園下バス停で下車し庭園を見てから立ち寄ると、本数も多く無難だと思います。
鳥居周辺はそうでもないのですが、境内に入ると、お稲荷さんを連想させるほど鮮やかな朱色の建物で目立ってます。……実際、お稲荷さんも祭られているんですけどね。
面白いのが夢牛なる石像。石の形を生かして作ったという感じがよく出ています。
加賀藩主前田家の家紋が梅鉢なのは、道真の末裔ということになっているからですが、この神社自体は11代藩主が寛政6(1794)年に創建したといいますから、意外と遅いです。それにしても、梅林がそばにあるというのは、やはりわざと、なんでしょうね。
境内には金沢の名前の由来となった「金城霊沢」という泉もあります。おみくじ20円にはそそられましたが、どうやら業者製らしいのでパス。
(傾向)観光名所の飲食店に対する通念を払拭される。
(対策)小人数、特にカップルで行くと絵になる。
兼六園周辺で食事を取ろうと、マップルマガジン(昭文社)片手に何軒かのぞいたものの、今一つ食欲につながらない。無意味に兼六園の周囲を一周した後、写真につられて「香味そば定食」の店に入ると、兼六園下の交差点角のビル2階にあるガラス張りの店内からは外の景色が良く見えます。内装は黒を基調にしたモダンな作り。何だか喫茶店っぽい。
そばが出るまでの間、地図を広げて思案していると、ここは甘味処らしいと気がつきました。抹茶も和菓子も苦手なので、甘味処特集はまったく読んでいなかったから焦ります。甘味処で昼食取るのは邪道もいいところ……。
他の客が抹茶かき氷なんかをつつくのを尻目に、鰹節・桜海老・シソ・大根おろし・こまなどを載せたごま油ベースのスープに浸った抹茶蕎麦をすすります。ここにレモンが添えられていれば最高なんですが、それでも千切りのシソがいいアクセントになっているし、蕎麦の茹で具合も問題なし。食器を赤と黒でまとめたあたりは秀逸。金沢の食事水準の高さを改めて感じさせた個性派メニューでした。
この店の名前は「曲水宴」。金沢版のマップルマガジン持参で10%引きになるのを抜きにしても、一人で過ごすには惜しいスポットです。