所在地:富山県高岡市太田
交通:JR
(傾向)消費期限を見据えて食事場所を確保すべし。
(対策)特急の車内が一番迷惑掛かりません。
駅前の道を氷見方面へ、松太枝浜バス停まで1kmお散歩。地元の小さな神社ですので、取り立てて変わったものがあるわけでなし。境内から富山湾が望めるかな? と思いきや、松林の向こうにしっかり民家が挟まっていました。
氷見線での途中下車は一度だけ、という条件のもと、選んだのは雨晴海岸。神社からの帰り道、線路を越えて浜辺まで出ます。ほら、電車の中で食事するのってはばかるじゃないですか。海岸なら晴れてさえいえばモノを食べていても問題にならないし。(場違い過ぎて見て見ぬふり、はありえますが……。)
立ち入り禁止のはずの堤防の上では男性2人組が一眼レフを手に写真を撮っています。それをよそめに、砂浜をウロチョロ、波打ち際でピチャピチャ。タオルがなくてもとりあえず海辺では何かしないと気が済まないらしい……。
遊んでいるうちに、たっぷりあるはずの時間が次第になくなってくる。ここでようやく階段状になった岩の上に腰を下ろし、乗車前に買った駅弁をおもむろに取り出します。
富山の駅弁とくれば、「ますのすし」がお約束。しかし筆者はこれが食べられないのです。小学校の社会科見学でコカコーラの工場を見学した日の夜、家族が土産にもらった「ますのすし」と、飲んだこともないコカコーラ・ライト(工場見学のお土産)を一緒に口にしてしまい、炭酸から来るゲップにのたうちまわったのがその原因。魚と米しかない組み合わせってのが、そもそも苦手なのもありますけどね。寿司屋で握りではなく太巻きやちらしばかり注文しているのは紛れもない事実……。わさびもダメなので、回転寿司は1度しか行ったことがありません。
このこともあり、駅弁には全然期待していなかったのですが、富山駅の駅弁売場でショーケースを眺めていると、気になる商品を発見。題して「富山味めぐり」。ご飯やお寿司ばっかりじゃないし、衣ばかりの揚げ物もない、幕の内にしては充実したおかずの数々。しかも2段重ねで税込1000円。無意味な上げ底やすき間だらけの盛りつけもなさそう。でも何で1200〜1300円あたりにならないんだろう?
ガラスケースの中の食品模型をしげしげと見つめた後、販売員さんに入荷時刻を聞くと、「10時30分から11時頃です」。観光の時間を一部削ってでも出直すか? と思ったら、高岡駅でも扱っている模様。市内中心部でのプチ観光が終わったらちょうどいい時間帯になるんですね。で、高岡駅構内で入荷したばかりのブツを購入した次第です。
木目を印刷した発泡スチロールの二段重に蓋と掛紙を乗せ、紐で結んだ上に不織布の風呂敷で包んであります。風呂敷はさっそくレジャーシートに転用。11時前に店頭の冷蔵ケースに並べて、当日15時が消費期限って、駅弁の範疇越えてますわね。
お品書きがついていたので、そのまま書き出してみましょう。
一の重 | 二の重 |
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ブリ・白海老・ほたるいか・昆布巻きと、名物はしっかり押さえてあります。(あ、やっぱり、ますのすしも入ってる……。)
ご飯は全体の4分の1にとどめ、野菜を多く入れてあります。容器も凝っていて、カラーのカップは笹と水仙の絵が印刷されています。
目で味わい、舌で味わい、屋外での食事を満喫していたら、大問題発生。それは潮風の存在。砂が飛んでくるほどひどくはないものの、日傘を開いたまま置くには心もとない吹き加減。ひょうたん型に抜いたご飯が乾く。うっかりプラカップを空にすると、あっさり風に乗って飛んで行く。立って追いかけること都合3回、うち1回は回収に失敗。
最後には弁当箱とにらめっこ状態で、海を眺めながら優雅に山海の幸を堪能する当初の計画は、一体どこへやら。
すいません、富山県を甘く見てました。おいしかったです。消費期限を考えると駅弁即売会には到底出せないので、現地で買って特急に飛び乗ってしまいましょう。
(傾向)ドラえもんほど間口は広くありませんが、ウケました。
(対策)移動そのものを楽しむスタンスも、またよろし。
高岡駅で2両編成の2両目に乗った時は気がつきませんでしたが、雨晴駅で何気なく1両目に乗車してびっくり。忍者ハットリくん(主人公)、シンゾウ(主人公の弟)、ケムマキ(主人公のライバル)が3人揃って天井を飛んでいるんですけど……。しかも壁のイラストには作者我孫子さん御本人の直筆サインまであるし。2両目は北陸のお約束、ごくごく普通のボックス席だったのに。
ハットリくんは伊賀忍者だし、ケムマキも甲賀だから全然土地の人じゃないけど、何で? 「作者が氷見市出身だからです」。あ、なるほど。
鳥取では時間切れで鬼太郎列車に乗るどころか写真すら取れず、香川県で偶然アンパンマン特急に出くわしても撮影のタイミングを計っているうちに一般車両に変わってしまったので、ファンでも鉄でもないのにここぞとカメラを向ける。すると車内放送にトドメを刺される。最初から最後まで、ずっとアニメ版のハットリくんが沿線の観光案内をしてました。地元の人だけの路線じゃなくて、観光路線でもあったんですね。いやはや。波打ち際ギリギリを走っている区間は長いです。
終点の氷見で下車してプチ観光……したいけれども、本数が少ないだけに、次の列車で戻ると後の行程に影響するということで、予定通り折り返しの列車で高岡まで強制送還。それでも拙者、とても楽しめたでござるよ、ニンニン。