所在地: 福井県敦賀市栄新町
交通:JR北陸本線・敦賀駅下車
(傾向)速いのは新快速だけで十二分。
(対策)くれぐれも安全運転でお越し下さい。
最近長浜(滋賀県)から敦賀まで交流電源になりまして、京阪神を経由する直通の新快速が1時間に1本だけ走るようになりました。姫路から3時間、大阪から2時間、京都からでも1時間30分。だからって交通費までは安くならず、大津から青春18きっぷで元が取れてしまう立地条件は相変わらずなのでした。
駅舎内の立ち食いうどんの店で、駅員がカウンターに立ち並んで麺類をすすっていたのが強烈な思い出です(笑)。
敦賀駅からコミュニティバスでも行けますが、後の行程も視野に入れて観光案内所でレンタサイクルを借りました。駅前の商店街を中心に、松本零士作品の青銅製モニュメントが大量に配置されており、ファンには垂涎の世界なんですが、神社まで距離があるので完全無視でアーケード内をぶっちぎり。余裕がないって見苦しい。
建物は滋賀県彦根市から移築したもので、権現造らしく華麗で精緻な彫刻が施されています。
予想に反して境内は広く、落ち着いたたたずまいを見せていました。きちんと臥牛も存在し、なで回してくれと言わんばかりの可愛い顔つきで参拝客を迎えます。見方によっては、背中に掛けられた帯状の布が、お昼寝用のタオルケットか腹巻きに見えますね。
11月20日に「せんべい焼き」という行事があったので少し調べてみたところ、本当に「せんべいを焼いて無病息災を祈るお祭り」でした。ひねりがなさ過ぎて逆に驚きました。
(傾向)これがフツーの観光?
(対策)ビーチにはビーチサンダルを。
貞観18(876)年(道真32歳)の時の漢詩に、「秋日の山行、二十韻」(『菅家文草』01:075)・「海上の月夜」(01:076)という2首があり、琵琶湖岸を経由して「神に祈らんとして越州の社に向か」ったとあることから、晩秋に越前まで
天満神社よりも駅寄り、商店街を抜けてすぐという分かりやすい場所にあります。
境内は取り立ててゴタゴタと物があるわけではなく(いや松尾芭蕉の銅像はありますけど)、むしろシンプルイズベストを地で行く空間。清掃が隅々まで行き届いていました。かと言って神様の威厳に気押されるのではなく、マイナスイオン大放出な環境に思う存分リラックスできました。理屈抜きで気持ち良かったです。
そのまま西へ大幅に移動して気比の松原へ。柵の手前で自転車を止め、そのまま砂浜まで。
海岸にターフを張り、その下でビールを飲む地元民を横目に、靴を履いたまま浜辺ではしゃぐ。ソックスまで脱いで素足になりたくとも、レンタサイクルの返却時刻が迫っているところに、後始末に手間の掛かることまではできません。
さて、当の道真さんはここで何をしていたのかと言いますと。
「漢詩を口ずさみながら指で砂の上に書き、月が傾くまで浜辺に座り」。……宿を抜け出して夜中に何やってんですか。
嫌いじゃないんですけどねぇ、外出先で興に乗っちゃうと、なかなか帰ってこない芸術家っぷり。
そこで調子に乗って波打ち際で落書きをしていたら、靴の中に海水が入ってしまいました。あちゃー。
(傾向)ハマる人はハマる男性好みの味。
(対策)女性はミニカツ丼をどうぞ。
福井の名物を調べてみると、出てきたのは「ソースカツ丼」。ウスターソースにつけた豚ヒレカツをご飯の上に乗っけたものらしい。マヨネーズやソースをどんぶりめしの上に乗せるのはどこか邪道だと思ってはいるのですが、何事も経験だ、食わず嫌いは問題だ、と「敦賀ヨーロッパ軒」へ行ってみました。
ソースカツ丼を単品で頼むと白地に青の陶器製どんぶりで出てきますが、今回はフルセットで頼んだので赤いプラスチックのお椀に入っています。味噌汁・サラダ・漬物と一緒にお膳で出てきました。ミンチカツなどと盛り合わせた変種もありますが、これはスタンダード版。
下にメニューが写っているのは、机の上に貼ってあったからであって、手抜きしてメニューを広げたまま食事をしたわけではないですよ。
甘口のウスターソースにたっぷり浸したカツと、ご飯との相性は悪くはありません。と言いますか、カツ抜きでもご飯が進む味付けですね。阪急百貨店の食堂で、ライスだけを注文して無料サービスのウスターソースを掛ける「ソーライス」という食べ方が戦前にはやったそうですが、こういう食べ方もアリなんじゃないかと思いました。邪道のはずが意外とウマい。偏見はいけませんね。
しかしいかんせん、最初から最後まで同じ味。普段食べる量の2〜3倍の白米を前に、後半は大幅にペースダウンしてしまいました。オーソドックスな卵とじ版が恋しいこと。ローカルフードとして満喫するには、ミニサイズを選んだ方が良かったかもしれません。
長野県