所在地:奈良県桜井市初瀬
交通:近鉄大阪線・長谷寺駅下車
(傾向)そこに天神社がある、だからって登るのか?
(対策)余程の物好きでもなければ、追体験はほどほどに。
長谷寺創建以前から、山上に滝蔵神という地主神かつ雷神が祭られていました。それが鎌倉初期に北野天神を祭るようになったものです。
長谷寺といえば牡丹や巨大な観音様を連想するのが普通ですが、それでは平凡すぎるので、道真の友人である
何でも、父親がここの観音に祈って産まれた子だから「長谷雄」という名前になったらしいのです。しかも本尊が十一面観音で、天神の本地仏そのものですから、道真本人とは微妙にずれた部分で引っかかります。
駅から寺までかなり距離があるうえ、上ったり下ったりの行程で、奈良県は確かに大半が山だと実感します。とりわけハードなのが駅前と境内。「宗宝蔵が公開中の時期に行く」「常に回廊を歩き、寄り道しても必ず回廊まで戻る」というのは、他山の石です。
門前までの長い道の途中、左に大きく曲がる箇所がありますが、その右方向、初瀬川にかかる橋の向こうに、大きな朱色の鳥居があります。ここが与喜天満宮への入り口。体力や気力に自信のない方は、せいぜいこの辺で引き返した方が良いかと思います。橋渡って石段上って鳥居の前に立つと、石段がまだまだ続いていることに気がつきますから。
それでも果敢に挑戦した結果は、分け入っても分け入ってもやはり階段で、運動どころか苦行です。登り切って小さな広場に出たので喜んだら、社殿の前にも階段があって、もう笑うしかありませんでした。
天気が崩れて遭難すれすれの体験をしたこともあって、行けとはとても書けません。いちおう長谷寺の参道脇に御旅所がありますから、眺めるだけで済ませましょう。