タイトルが「古今和歌集 梁塵秘抄 和漢朗詠集」だったので気にしていなかったのですが、たまたまある人から現物を頂いて確認したところ、きっちり道真の特集がありました(苦笑)。当時の漢詩人の中でも、有名で内容が理解しやすいから選ばれたのでしょう。
「醒めた理知」をキーワードに、藤原克己氏が『菅家後集』の詩を取り上げて解説しています。「楽天が『北窓の三友』の詩を読む」について、燕と雀と詩で三友になる、と指摘したのはさすが(と思ったのですが、すでに王丸勇『菅原道真』(金剛出版、1980)に同様の指摘がありました。気付かなかった私が鈍いだけかも)。それにしても、以前「白鳥の
この号の執筆者には、和歌にも漢詩も明るい「和漢兼読」の研究者が多いのが特徴です。個人的には「和歌・手紙のゆくえ」という、作者自筆のその後に関するコラムが興味深い。平安時代文学は和歌と漢詩文の相互交渉の賜物だという、ごく当り前の話を知らず、今でも「平安文学=かな文学」だと勘違いしている人は多いでしょうね。