山陰亭

有馬天神社(7KB)
有馬天神社

所在地:兵庫県神戸市北区有馬町
 交通:神戸電鉄・有馬温泉駅下車

鉄分の湧く天神社有馬で金泉にドボン

鉄分の湧く天神社

(傾向)坂道、坂道で結構バテてました。
(対策)荷物は必要最低限に。

 「すごーい、阪神と阪急が同じホームから出てるー!」という意味不明な感激をよそに、ちょっとひなびた雰囲気を漂わせている神戸電鉄に新開地駅より乗車。するとクリーム色と赤色のツートンカラーの車体はロープウェイまがいの急勾配を一気に登って行きます。神戸が山がちなのは分かってたけど、どこに連れて行かれるんだろう……、と呆然としていると、「次は鵯越ひよどりごえ〜」のアナウンス。
 ほーここが、かの源義経のやらかした奇襲作戦の舞台なのか〜と窓の外を見て、今度は絶句。やっぱりロープウェイを掛けられる山・山・山! 馬でこんな急な山道駆け降りろなんて、いくらなんでもムチャクチャやで、九郎はん!
 30分あまり後、有馬口駅に到着。線路を歩いて渡り、温泉行きの列車に乗り換えてひと駅。平日昼間なのに乗客がちらほら。大阪以東だと遠いと思いますが、神戸市内からなら1時間圏なので、手軽に日帰り入浴できるんでしょうねぇ。

 まずは有馬川に沿って右手の坂を登り、観光案内所で地図をゲット。そのまま高速バス乗り場の前を通り過ぎ、突き当たりで左折。佃煮屋さんや炭酸煎餅屋さんに挟まれた湯本坂を登って行くと、円筒形のポストがありますので、ここでもう一度左折します。後は一所懸命裏道を登れば天神社に到着。
 JR西日本が有馬特集のパンフを作ると、表紙は決まってここの境内。それもそのはず、ここから湧き出すのが、鉄分の多い有馬独特の「金泉」だから。有馬にはもう一つ炭酸ラジウム泉の「銀泉」もありますが、水道管を洗浄した後で蛇口をひねると流れ出す水のような、赤茶けた金泉の色はインパクト抜群です。

天神泉源(6KB)
天神泉源

 石段も石柱も、温泉の蒸気でそこかしこ赤く染まっています。しかし赤地に黒い文字で「日本三名泉 有馬 天神泉源」と染め抜いたのぼりが、鳥居の近辺に何本も立てられているのは、とにかくこっぱずかしい。そして狭い境内で激しく存在を主張しているのが、もうもうと湯気を吐き続ける天神泉源。風が吹く度に水蒸気は向きを変えて流れ続けます。柵も鎖もないので、湯気に手を出しかねないお調子者を同行する時は御注意を。

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有馬で金泉にドボン

(傾向)平日なのに、料金高いのに、なぜか混む。
(対策)この際朝寝朝湯で……、って身上しんしょうつぶすぞ。

 太閤豊臣秀吉の行楽地としても知られる関西の奥座敷、実は2度目です。前回は小学生の時だったんですが、明日は早起きして天神社へ行くぞ〜! と一人意気込んでいたのに、別室に泊まった両親が大ゲンカをして朝食もそこそこに連れ帰られたという苦い思い出が……。今思い出しても、前の晩はすこぶる仲の良かった二人に何があったのか良く分かりません。くすん。
 以来リベンジもがなと思いつつも、「遠い」以上に「高い」がネックになっていました。とりあえず宿泊は却下しても、交通費の問題は残ります。関西圏の私鉄が3日間乗り放題になる「スルっと関西3dayチケット」を使うのが一番確実なんですが、有馬温泉だけに丸一日と1700円弱(=5000円÷3日)を費やすのももったいない。この切符のお世話になった時は、ここぞとばかり「須磨から姫路」「伊賀と和歌山」「京阪線で京都」と、乗り降りを繰り返して天神社の数を稼いでましたから。で、JR西日本の一日乗車券「京阪神おでかけパス」で三田市に行った時、神戸電鉄の料金表を覗いてすごすごJRの駅に戻ったことも。

 関西の私鉄には、有馬ビューホテルに併設された温泉レジャー施設「有馬温泉太閤の湯」とタイアップした「有馬温泉太閤の湯クーポン」というのがありまして、乗車券と入場料がセットで2100〜3000円(発駅・各社によって価格差あり)。うまく行けば往復の交通費で元が取れる値段設定なのですが、3月上旬で利用期間終了。そんなくそ寒い時期に山登りしたくない〜! と思いきや、ある年、3月下旬までに期間が延びていました(現在はほぼ通年化)。桜のシーズンは稼ぎ時だから使わせたくないんだなとうがちながら、阪急沿線に住み着いている後輩を引きずって行ってまいりました。
 「往復乗車券+入場券」ではなく「乗り放題切符+入場券」であることに買った後で気がついたので、待ち合わせはなぜか長岡天神駅前のマクドナルド。以下神戸市内の天神社にちょっと(←自主規制につき数を抑制)寄り道。

 さて有馬温泉駅前です。ホテルの直通バスがしばらく来ないので、歩いて行くことにしたら、これがとんでもない上り坂の連続。まだ肌寒い時期なのについた頃にはすっかり汗だく。チェックインして岩盤浴を予約して、まずはお昼ごはん。町の中にこれといった食事場所もないし(後で見たところ、玩具博物館の近くによさげな飲食店がありましたが、それ位かと……)、館内の食事処は案の定高い。釜飯御飯のセットと天丼を注文。いやー見ものですよ、1500円の天丼。サイズがとにかく大きいんです。「大丈夫?」「うん大丈夫」とか言いながら、やっぱり御飯残してました。味は可もなく不可もなく。
 さて肝腎のお風呂ですが、入館料2400円という高い料金に関わらず、おばさま方が大勢いて、洗い場所が空くのを待たされる程。クレンジングが洗面台にしかなかったのも疑問符でした。化粧水も今一つなので、基礎化粧品一式は持参した方が良いでしょう。岩盤浴は2時間待ちで30分限定。別料金のコーナーもあるので覗くと、30分のみでやっぱり予約待ち。汗をかくにはもっと時間が掛かるので、おまけと思った方が良さそうですね。
 屋上の露天岩風呂は狭いけど、源泉利用で雰囲気はなかなか。一人用の円形風呂「五衛門釜風呂」は一目見てパス。女性が足を放り出して入浴する姿が、あんなに不気味だったとは……。大浴場の金泉は、赤茶けた色のおかげで胸から下が全く見えない便利なシロモノ。そんなに熱くないのもありがたい。けど、有馬のアイデンティティーだけに、公衆浴場も金泉引いているんですよね。

 総評。企画切符で日帰り旅行ならアリですが、泊まるなら別のホテルを選びますね。混んでる大浴場は遠慮したいですもん。2ケ月前に福岡空港で「万葉の湯」なる同様の施設のタダ券を見つけて行ったので、どうしてもそちらと比較してしまいます。んー、今度京都醍醐の「ねねの湯」にも行ってみようかなー。これで嫁さんの方が良かったら笑えないけど。お値段3分の1なので。

 おまけ。駅前の土産物屋でリアル湯の花(金泉と同じ成分を配合したものですが、そんなに色は濃くはないみたいです)と天神社の絵葉書を物色して、有馬を出たのは夕方6時。にもかかわらず、「せっかくだし京都でライトアップも見ちゃおうか〜」と梅田で乗り換えて京都市内へなだれ込み、祇園方面へ。三条寺町で夜食をとった後、11時過ぎにようやく解散しました。筆者は当然バテバテ。なのに相手はピンピン。この差は一体……。

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