所在地:京都市下京区仏光寺通新町西入ル菅大臣町
交通:京都市バス・西洞院仏光寺バス停下車
(傾向)四条烏丸から歩くと、地図と首っ引きになる。
(対策)京都駅から市バスに乗る。
四条烏丸からだと地下で道を間違えて四条河原町方面へ行ってしまいやすいので、方向感覚に自信がある方以外は、京都駅から市バス50号系統に乗るのが確実です。京都駅方面のバス停のそばに石鳥居があり、ここを抜けて直進すれば、すぐ着きます。
仏光寺通をはさんで北菅大臣神社の南にあり、古くは天神御所とか白梅殿とか呼ばれていました。北菅大臣神社と違い境内があるため、行事はこちらで行われています。
周囲は民家ですし、参拝するのも地元の人ばかりですから、かなり穴場です。社殿は西向き。
手水場に臥牛が飾られています。臥牛は左向きが多いのですが、これは右側が頭。社殿に頭を向けて座っている律儀なヤツです。
(傾向)上着はしばらく陰干しに。
(対策)洗いやすい服とゴーグルで防衛するしか手はないか。
5月の上旬(第2土日?)に2日間かけて行われる例祭で、初日に山伏のお練りと護摩の奉納があると聞き、見物することに。
午後2時開始。山伏の行列は法螺貝を吹き鳴らしながら周辺の道を行進し、正面から境内に入ります。しかし境内には綱が張られており、先に進むことができません。そこに別の山伏が登場し、質問攻めの始まりです。
「お主は何者ぞ?」「我々は
長〜いやりとりの後、ようやく「そなたは間違いなく聖護院の者だ、通れ」とOKが出ます。境内の鳥居前にはすでに護摩壇が用意されています。奉納する相手は神様だけに、そのてっぺんには幣が。しかしまだまだ点火には至りません。五大明王の名を唱えながら、東西南北と中央に矢を放ちます。護摩壇に向かって小さな斧を振り下ろします。呪文を唱えつつ、小刀で空を切ります。点火までの作法って、いろいろとあるんですね。
その後、祭文を読み上げながら、松明でようやく点火。火は順調に燃え広がり……ましたが、あまりに順調すぎました。加熱された葉から吹き出す煙が異常に多く、風向きが変わる度にほうぼうの観衆を襲い、境内はたちまち煙一色に。涙を流しながらむせる道真さんの姿が目に見えるようだ……って、アーッ、こっちに来る、やばい!
煙が目にしみた子供が泣き叫ぶのをよそに、カメラをしまい、口にハンカチを当て、目を強くつむります。上空から見たら、この一帯だけ煙まみれになっているに違いありません。煙が弱まったすきを窺って別の場所に避難しても、雲仙ばりの煙が容赦なく襲ってきます。一旦退避を余儀なくされつつも、勢いが弱くなれば最前列に戻るのは半ば意地。
随分燃えたところで、ようやく煙の量も減り、護摩木の束を投入します。基本的には山伏姿の僧侶の仕事ですが、神職も狩衣姿で作業に参加。神道と仏教は分離しているより習合していた時代の方がずっと長い訳ですから、こちらの方がより自然なのかも知れません。
護摩奉納が終わったところで境内を見回せば、お手頃価格で軽食や飲物が売られ、果ては鉢植えまで売られ、地元の人々は椅子に腰掛けて祭そっちのけで話し込んでいます。子供は輪投げに興じています。その様子を尻目に一旦席を外したところ、さすがに再訪する気力も体力もなく、あえなく見物終了。ビンゴゲーム目当てに観光客が足を運ぶのも変な話ですが。それにしても、今回の護摩、写真を見ただけで目が痛くなります。
この後、2日目の午前に例祭、午後に狂言奉納と続きます。狂言は過去に観光客と学生と地元の老若男女に埋もれながら観ましたが、人間国宝の至芸が無料で観られる、ありがたい舞台でした。