「天神さんと弘法さんのケンカ」という京都人の発想に関する話。
毎月の縁日、北野天満宮の天神さんが25日なら東寺の弘法さんは21日。この2日のうちどちらかは雨が降ると言われています。その理由は「天神さんと弘法さんは仲が悪いから」。
弘法大師空海も平安時代きっての名文家ですから、セットで考えるのもあながち間違いではありません。しかも平安末期には「空海が道真になり、道真が小野道風になった」という転生説までありました(『政事要略』巻22・御霊会)。ただしこちらは「天神は詩文の神だから能筆のはず」という見方の産物です。道真が本当に能書だったかについては確証がありません。「伝道真筆」と称されるものは年代が合いません。公文書の署名など地味なのが出てくれば面白いんですが……。
実際の天気まではさすがに調べたことはないのですが、確かに25日は雨だった、というパターンが結構ありました。旅行の際はお天気に気をつけましょう。