所在地:東京都文京区春日
交通:東京メトロ丸ノ内線・後楽園駅下車
(傾向)無二の珍品、ではないらしい。
(対策)さあ、自己暗示の時間です!
他の同名の神社と区別する意味で「牛天神」の三文字を冠して呼ばれることがありますが、その理由は創建にまつわる伝承にあります。
平安末期の寿永3(1184)年、源頼朝がここで船を停泊させて潮待ちをしていた際、牛に乗った天神が夢に現れ、彼に2つの幸いが訪れると告げました。夢から覚めた頼朝が、ふと横を見ると、夢で見た牛に良く似た形をした石がありました。彼は驚きを禁じ得ませんでしたが、果たせるかな、この年に長男
ということは、いまいちピンとこないのですが、その昔は海辺だったということです。それはいいのですが、境内の掲示に創建の年を「元暦元(1184)年」と書くのは変な話で、全国に地頭を置いた翌元暦2(1185)年のことになりますね。事実関係を云々する以前に、寿永3年と元暦元年って同じ年ですから。
さて、問題の石です。大きな石です。周囲をしめ縄に囲まれ、絵馬にも描かれる石です。石だ石だ……、いや違う、牛だ牛だ牛だ……と自己暗示を掛けつつ眺めてみれば、首を腹の方へ曲げた牛に見えてきます。もっとも、三先天満宮や金沢神社にも同様の石がありますから、首を曲げた牛に見える石は、まだまだ世間にありそうです。
さて、ここからは余談。この神社で思い出すのは、千百年祭の案内の看板に書いてあった「新・天神伝説生まれる」というキャッチフレーズに思いっきり引いてしまったことと、朱印を頼んだら朱印帳の裏面に書かれてしまったこと。東京国立博物館であったイベントで、ここのスタッフが挨拶していたこともありますが、その内容は全然覚えていないんですよね……。変なことばっかり記憶に残す筆者なのでした。