所在地:大阪府
交通:近鉄南大阪線・道明寺駅下車
(傾向)季節限定。
(対策)早目に予定を立てて準備する。
あべの橋から準急で20分弱。地下道を通って改札を出たら左に進み、最初の角で曲がれば商店街に入ります。そこを抜ければ天満宮。さらに進めば道明寺。
いささかマイナー扱いされてますが、ここの宝物館はいい。大穴です。
まず、櫛・鏡・
実物を見ると良く分かるのですが、小刀はかなり大振りです。柄は手で握っても充分余裕のある長さ。これは木簡を削るための消しゴムですが、すこぶる実用的な寸法で、メモをカードへ書き出す合間にいそいそと手に取っていたかと思うと楽しくなります。
ベルトについて、「復元品があるということは、本人の腰回りのサイズが分かるということですよねぇ?」と好奇心全開の質問をぶつけたところ、同じことを考える人がいたようで、中年男性が着衣の上からつけると丁度良い位になるとか。メジャー片手に正確な数字を測りたいところですが、貴族は衣服を重ね着するものですから、そこから何センチ引き算するかがまた問題。
個人的に面白いと思うのは扇面屏風。先に『松崎天神縁起絵巻』あたりを図書館で読んでおかないと話の流れがつかめないかもしれませんが、屏風に貼られた扇の一枚一枚に天神縁起のワンシーンが描かれています。詞書は短いので、じっくり眺めてみましょう。
あと近衛信尹の渡唐天神像。一見一筆書きみたいな絵ですが、実はアウトラインが「天神」の2文字になっているという、なかなかイキなもの。
もうひとつ、境内で発掘された土器類。隣の駅の名前が
一般公開は1月から3月の一部の日のみですので、事前に確認した方が無難です。予約をすれば他の時期でも大丈夫ですが、お勧めはやはり梅見がてら。13代・15代と親子二代で片岡仁左衛門さんが植えた木がありますし、梅園自体は無料ですから、見逃さない手はないでしょう。
(傾向)原因は写真を参照。
(対策)歩く時はちゃんと周囲を見ましょう。
石柱や看板をちゃんと見ていれば問題にもならないのですが、時々、天満宮を道明寺と間違える人がいます。
階段から門へと続く光景が、神仏習合の頃から同じで寺に見えるという事情があるにしても、途中で気がつきそうなものです。そんな話をスタッフとしていると、どこからか現われたオジさんが「道明寺はどこです?」。笑いをこらえる筆者の傍で、淡々と説明する姿は見事でした。明らかに慣れてます。
(傾向)思い込みは怖い。
(対策)生で確認するのが基本中の基本。
東洋陶磁美術館(大阪市北区)で道真の遺品と目される
なお、国宝指定時の名称は「青白磁円硯」でしたが、研究が進み、「白磁円面硯」と呼ばれるようになりました。
表面がかなり削られていて、相当使い込まれたもののようです。おそらく本物だろうと思うと変に所有欲が出てくる。誰かレプリカ作ってくれないかと思っていると、太宰府天満宮で発見しました。ところが雰囲気が違う。新品ぽいつくりのために、人に使われた形跡まで複製していなかったのです。複製じゃなくて復元だったのかも。
また、レプリカを販売している企業もあります。定価30万円。国宝と思えば安いのですが、さすがに振るだけの袖はないのでした。
(傾向)これはさながら旅館と民宿の差。
(対策)ブランド好きか無印派かで評価が分かれそう。
梅園の管理をスタッフでやっているのは、知る人ぞ知る話ですが、鷽替のウソまで自前で作っているそうです。削って色塗って焼印押して、の工程で。そして無料で配布。そういえば2月25日の景品付餅まきも無料だったはず……。まあこれは壮絶なので別枠としても、仕事を業者任せにしないところは好感が持てます。あと欲を言えばおみくじですか。オリジナルなんですが、もう少しカジュアルな記述でもいいかなと。