素朴な疑問ですが、おみくじって全部で何本あるんだろう……と思っていたら、格好の本がありました。
島武史『日本おみくじ紀行』(日本経済新聞社、1995年/ちくま文庫、2001年)と『日本おみくじ夢紀行』(日本図書刊行会、1997年)の2冊がそれで、おみくじという観点から日本各地の寺社を紹介しています。しかもおみくじの図版つき。で、『紀行』には太宰府天満宮・道明寺天満宮・北野天満宮(165頁「菅原道真の和歌おみくじ」は誤解で、本当は漢詩です)、『夢紀行』には長岡天満宮・大阪天満宮・服部天神宮・亀戸天神社と、天神社も多く登場するのです。読み物としては2冊目の方が面白いかな。
著者も言うように、おみくじには引き甲斐のないものも確かにあります。個人的には「安くて(気軽に引けるのは100円まで)詩句の選定や文言にオリジナリティが感じられるか」が判断基準。なぜか小さく折り畳んであるものより、大きいものに制作者の気合が入っていることが多いと思います。小さいとあれこれ書きにくいこともありますけどね。
そして引く側の心構えとしては、大吉とか表面的な善し悪しを問題にする前に文言をちゃんと読む。負担がかかるので木の枝にはくくりつけない。さして悪いものでなければ、別に持って帰っても構わないでしょう。
さておみくじの本数ですが、この本によると最小で12本、最大で100本とのこと。