観光ガイドには載ってない京都の歩き方(?)を紹介します。
バス代は郊外に出ない限り220円均一。観光案内所などで、回数券(5枚1000円)・1日乗車券(500円)を購入しておけば、両替の手間が省けます。
京都で天神社を回るのにぜひ押さえておきたい路線といえば、なんといっても50号。JR京都駅と立命館大学を結ぶこの路線、面白いことに菅大臣神社と北野天満宮の前で止まるのです。生前の住居と死後の住居の組み合わせは単なる偶然とは思えない。15分に1本程度と多いので途中下車も安心。駅行きの便はとかく混みますが。
鉄道の駅から北野天満宮に行く路線は多いので、「北野天満宮前経由」または「北野白梅町経由」と表示されているバスを拾えば済むことなんですけど、せっかくの機会ですから、どの辺に住んでいたか実感してほしいと思うのです。
あと、烏丸丸太町(菅原院天満宮の近く)と北野天満宮前を経由する10号も便利といえば便利です。
京都市交通局のプリペイドカード「トラフィカ京カード」を使わずに地下鉄とバスを乗り継ぐ場合、地下鉄からなら駅の券売機で乗継乗車券を買うだけですが、厄介なのがバスから乗り換える場合。予め駅の専用券売機で紙製の乗継乗車券を購入し、下車時にバス用の半券(小さい方)を切って渡し、券売機に残りを挿入して差額を払い、ようやく地下鉄の自動改札に通せる切符が手に入るので、ものすごく面倒臭いです。
しかし奇妙なことに、「京都市バス・地下鉄1日乗車券」は存在しません。全く別資本の京都バスと組んだ「京都観光一日乗車券」「京都観光二日乗車券」はありますが、大原のような郊外にでも出なければ、1日1,000円以上掛かるのは辛いですよね。名古屋市交通局にならって市バス均一区間+地下鉄で700円台のフリー乗車券を作れば、観光シーズンの観光客には重宝がられるでしょうし、毎年地下鉄の赤字を市バスの黒字で穴埋めする問題もすこしはましになると思うのですが、この調子だと、1日乗車券ばかり愛用して京都市内は他にも多くの会社(京都バス・JRバス・京阪京都交通・京阪バス・ヤサカバス・プリンセスラインなど)のバスが走っていることを知らない観光客がまた増えそうな気がします。
もう一つおまけの話。京都市はバスが定時運行しない日本有数の都市ではないでしょうか。大阪のように道路が広くない分、夕方ともなると混雑ぶりは半端ではありません。特に観光シーズンや四条通を通る路線はお見事。さすがに歩くよりは早いのですが、抜かれたバスを抜き返した(笑)ことはありますし、ひどい時は徒歩並みの所要時間だったことも。「本当の京都人は遅れてきたバスに乗らずに次の便を待つ、なぜならすぐバスが来るからだ」という小咄を聞いたことがありますが、本当に超満員のバスの直後にガラ空きのバス、しかも全く同じ系統が来ることが……。
「洛陽天満宮二十五社順拝」は江戸時代後期に行われていたもので、京都の天神社25箇所に順に参拝する、というもの。……が、現代っ子にはそれぞれの神社がどこにあるのかよく分からない。当然地図にも載ってない。歩いてみても見つからない。京都市中はそこらへんに祠があったりしますから、その中に含まれるものも多いのでしょうが、この25社、全部現存しているかも不詳だったりします。
参考までに、25社の一覧表を載せておきます。
No. | 「文政六年日記」による記載 | 現在の名称 |
01 | 仏光寺西洞院 菅大臣 | 菅大臣神社 |
02 | 仏光寺通西洞院 北菅大臣 | 北菅大臣神社 |
03 | 安井御境内 綱敷天神 | 安井天満宮(安井金比羅宮内) |
04 | 神泉苑内 天神 | (確認できず) |
05 | 吉祥院村 天神 | 吉祥院天満宮 |
06 | 西七条 行衛天神 | 綱敷行衛天満宮 |
07 | 西七条 綱敷天神 | |
08 | 壬生南門前 一夜天神 | 一夜天神(壬生寺内) |
09 | 松原通烏丸西入ル玉津島 天神 | 玉津島天満宮(新玉津島神社内) |
10 | 下寺町万年寺 紅梅天神 | (万年寺内には現存せず?) |
11 | 吉田山虚空蔵内 天神 | 天満宮(吉田神社内) |
12 | 高台寺 綱敷天神 | 高台寺天満宮(高台寺内) |
13 | 岡崎万願寺 文子天神 | 文子天満宮(満願寺境内) |
14 | 六角堂内 天神 | 天満宮(六角堂境内) |
15 | 丸太町河原町西入ル 菅家天神 | (下御霊神社内?) |
16 | 釜座二条上ル 飛梅天神 | (薬師院内には現存せず?) |
17 | 粟田御境内 朝日天神 | 朝日天満宮(粟田神社内) |
18 | 堀川通寺ノ内上ル 水火天神 | 水火天満宮 |
19 | 七本松一条上ル 河崎天神 | 清和院天満宮(清和院内) |
20 | 下立売かい川西 御旅天神 | 北野神社(北野天満宮御旅所) |
21 | 出町広小路上ル九間町 火除天神 | (未確認) |
22 | 御前通西裏筋下立売上ル二丁目 安楽天神 | 安楽寺天満宮 |
23 | 高辻竹のずし 勾天神 | 匂天神社 |
24 | 寺町錦 天神 | 錦天満宮 |
25 | 北野御本社天満宮 | 北野天満宮 |
大阪−京都間を移動するなら、事前に大阪駅前第2・第3ビル地下2階のチケットショップ街へ。これで使用する路線が決まったりします。さらに安さを求めて地下1階にも行くことも。
JRの「昼間特割きっぷ」(320円〜)があれば買う。通常なら540円。平日昼間・土日祝限定なんて、休みの日しか旅行しないから大丈夫。本当は12枚つづりの回数券なんですが、そんなに頻繁に行きませんからバラ買いします。滋賀県や嵯峨野線乗り換えなどの場合も、この切符を使えば安くつくことがあります。実際、京都から先の区間の普通回数券を一緒に販売している店もある程です。
なければ通常料金で阪急(390円)。JRより60円高くて所要時間10分増、そのかわり座席は確保。座りたければ始発駅から、という原則からすれば阪急です。さらにグループ旅行の場合、駅の自動券売機で土日祝限定の回数券を求めれば、5枚分の値段で7枚買えます(つまり1枚280円弱)。そこまでの人数でもないなら、やはり事前に金券ショップをチェック。回数券・全線切符・株主乗車券など、あちこちでバラ売りされています。京阪電鉄にも株主乗車券(360円〜)はありますが、1,000株で3枚しかもらえないだけあって、店頭ではなかなかないですね。必要にもよりますが、見つけたらすぐ購入をお勧めします。
京都市中に着いたら着いたでまたチケットショップに一直線。分かりやすい所では、京都駅前と四条河原町−四条烏丸界隈に散在しています。あと三条河原町にも1軒。チェーン展開している「チケットショップトーカイ」が一番多いですね。
バスの共通回数券(京都市内での乗降車なら他社路線でも使用可、190円〜)・市バスの1日乗車券(均一区間限定、490円〜)あたりをチェック。そして大穴なのがバスの時差回数券(154円〜)。均一区間限定、月曜〜土曜の10時〜16時に降車という制限こそありますが、2回途中下車しても1日乗車券より安いんですよね。地下鉄の1日乗車券(定価600円)はなぜかまず扱っていないので、駅の窓口で購入して下さい。
京都市交通局の「トラフィカ京カード」は、近年1000円でも1100円分使えるようになりましたので、これも便利です。バス同士の乗継(90分以内)や地下鉄とバス(時間制限はないので、往路バス+復路地下鉄なんて使い方も可能?)の乗継の場合、割引料金が適用されます。当然ながらこのカードもチケットショップで買えますよ。定期券感覚で使えるのでなかなか重宝します。
電車の回数券関係ももちろんありますが、大阪に比べればやはり若干割高なようです。と言いますか、京都の方が安かったの、知っている限りでは「全国共通百貨店商品券」(おつりが出るのでデパ地下利用がお得)だけだったりします……。むしろこれがなぜ安いのか不思議な位。