所在地:島根県
交通:雲南市民バス・三刀屋バスセンター下車
(傾向)集落に入るまでが大変です。
(対策)根性のある人限定か、ここまでくると……。
いわゆる「三天神」。東京は湯島天満宮・亀戸天神社・谷保天満宮。名古屋は桜天神社・山田天満宮・上野天満宮。京都は……、多過ぎて誰もコメントしていないけれど、さしずめ北野天満宮・吉祥院天満宮・菅大臣神社あたりでしょうか。そして出雲は白潟天満宮・菅原天満宮・三刀屋天満宮ということになっております。
三刀屋天満宮はもともと1kmほど離れたところにあった三刀屋城の敷地内に祀られていました。その前段階として、「遠祖
JR山陰本線の出雲市駅前から、本数は少ないし料金も割高ながら神社の手前1kmほどまでバスが出ています。これが一番早く行けるのですが、知らないとどうなるか。JR
「木次といえば木次乳業だよなぁ、どんな所なんだろ」などと思いながら、始発駅の
ようやく来たのは備後落合(←広島県北部の駅らしい)行きのプリティーなワンマン1両編成。乗客は、地元のおばちゃんと若い男性。手には1眼レフのデジタルカメラ、肩に下げるは巨大なカバン、……んん、スーツまで持参? こんなローカル路線に乗るのは地元民でなければ「鉄」なヒトと相場が決まっていますが、そんな機動性を著しく損なう物を抱えてどうするのやら。「出張ついでに趣味に走っちゃったサラリーマン」と見立てましたが、私用で1泊追加って認めてもらえるものなんでしょうか?
ダイヤ編成もさることながら、何より驚いたのは、線路の上に架線がないこと。お恥ずかしながら、パンタグラフから電気を供給して走る電車しか知らないので、ディーゼルカーは貨物列車かお座敷列車しかないと思っていたんです。自家発電で走る「電車」か……。道理で足元からブーンと重低音系の振動が伝わってくるわけです。
「窓から頭を出せば、木の枝にぶつかるのでは?」と思えるほど緑なす谷あいを縫い、急斜面のギリギリ脇を健気に走り、30分ほどで木次駅に到着。宍道行きとの退避待ちでしばらく停車している間、「鉄」なお兄さんはホームに降り、いそいそとカメラを向けておりました。あの調子で終点まで行っちゃうのかなぁ……。武運を祈る(笑)。
筆者は駅前の国道314号線から
普通にちゃんとした橋を渡れば良いのですが、欄干もへったくれもない、自転車のハンドル操作を誤れば即座に川面へドボン! という、バラエティー番組のセットに登場しそうなラフな橋を発見したので、そこを渡ることに。吊り橋に比べれば格段に安定性はあるものの、ほどほどにスリルを味わえます。
川を渡って国道271号線に入ると、ちょっとした山越えルートになります。郊外も郊外なので、普通こんなところ歩かないよなー、道間違えていたら遭難モノだぞとか心配になりながら、ようやく平成記念病院までたどりつき、眼下に集落を見下ろせる所まで来れば、どうにか一安心。
国道54号線の手前にある通りを堀に沿ってずーっと歩くと、三刀屋高校があり、さらにその随分先にある山陰合同銀行の三刀屋支店の先に「天満宮」と彫られた石柱がありますので、ここを左折します。後は妙に長ーい上り坂。最後は石段をえっちらおっちら登る、お決まりのパターン。さっき坂道を昇り降りしたばかりなのに、疲れる。
人気もないのになぜか正面が開いていたので、畳敷きの社殿内部に上がり込んでお参りしてきました。「天満宮」とか「天満大自在天神」とか彫った額が掲げられているだけでも充分濃厚なのに、出雲の定番、重量級の太いしめ縄の上にこんな面白い彫刻が。
普通は眼の届かない所に梅の木を持ってくるとは、なかなか凝ったことしてますね。
絵馬は朝日と紅白梅を描いたもの。社名は印刷ではなく朱印だったので、既製品かもしれません。実際、見たことはないとは断言できないデザインです。
ちなみに、帰りは発車間際のバスに偶然飛び乗れた(行き先表示を見る時間もなかったので、運転手に聞いた)ので、二度目の山越えはありませんでした。ラッキー。道真さんありがとね。